先程の茶会でケーキを沢山食べていたが、腹は全然膨らんでいなかった。亜希子と緋菜には「あれだけ食べて苦しくないの」と、胃袋の容量を心配されたが、雪弥としては、彼女達が「ケーキでお腹いっぱい」とした感想が信じられないでいる。
「蒼慶様に比べて、雪弥様は恐ろしい量のケーキを食べておられましたね」
ぼんやりと思い返すその横顔から、心情を察したように賢い執事がそう言った。
「見ているこちらが、気持ち悪くなるほどの清々しい食べっぷりで、全く貴方様にはいつも驚かされます。――甘い物がお好きですか?」
「なんか失礼な言い方されたような気がするけど、まぁ、そうですね。甘い物は嫌いじゃないですよ、美味しいし」
それにしても、まだまだ待つのだろうか。
雪弥はそう思って、答えながらスーツの内側のポケットから携帯電話を取り出した。人前で個人的にチェックするのも失礼になったりするのかな、と考えていたから、普段は人前でそれを手に取る事も少ない。ただ、ここには自分と執事しかいないのだし、ついでに連絡が入っているかも確認したかったのだ。
「蒼慶様に比べて、雪弥様は恐ろしい量のケーキを食べておられましたね」
ぼんやりと思い返すその横顔から、心情を察したように賢い執事がそう言った。
「見ているこちらが、気持ち悪くなるほどの清々しい食べっぷりで、全く貴方様にはいつも驚かされます。――甘い物がお好きですか?」
「なんか失礼な言い方されたような気がするけど、まぁ、そうですね。甘い物は嫌いじゃないですよ、美味しいし」
それにしても、まだまだ待つのだろうか。
雪弥はそう思って、答えながらスーツの内側のポケットから携帯電話を取り出した。人前で個人的にチェックするのも失礼になったりするのかな、と考えていたから、普段は人前でそれを手に取る事も少ない。ただ、ここには自分と執事しかいないのだし、ついでに連絡が入っているかも確認したかったのだ。