「中学校で、私だけ髪の色が違うの。みんな黒髪だけど、お爺様と同じ金髪ねって、お父様もお母様もそう言ってくれるのよ」
幼い頃は、同級生に何かしら言われる事もあって悩んでいたという。けれど、だから今はこうして伸ばしているのだと、アリスは思い出すように微笑んだ。
祖父と同じ髪色が、今では誇らしいのだという話を聞いて、緋菜の顔も自然とほころんでいた。雪弥だけが「そうなんだ」と、ぎこちなく相槌を打って立ち尽くしていた。
すると、アリスが再びチラリとこちらを見上げてきた。パチリと目が合ったので「何?」と尋ねてみたら、どうしてか白い肌をほんのり赤面させて、緋菜の後ろへ隠れられてしまう。
「…………あの、僕、なんかしたっけ?」
「違うのよ。この子、入口でお兄様を見た時からそうなの。こうして出てきたのも、蒼慶お兄様じゃなくて、雪弥お兄様に会いたかったからなのですって」
緋菜がそう続けて、確認するように目を向ける。
幼い頃は、同級生に何かしら言われる事もあって悩んでいたという。けれど、だから今はこうして伸ばしているのだと、アリスは思い出すように微笑んだ。
祖父と同じ髪色が、今では誇らしいのだという話を聞いて、緋菜の顔も自然とほころんでいた。雪弥だけが「そうなんだ」と、ぎこちなく相槌を打って立ち尽くしていた。
すると、アリスが再びチラリとこちらを見上げてきた。パチリと目が合ったので「何?」と尋ねてみたら、どうしてか白い肌をほんのり赤面させて、緋菜の後ろへ隠れられてしまう。
「…………あの、僕、なんかしたっけ?」
「違うのよ。この子、入口でお兄様を見た時からそうなの。こうして出てきたのも、蒼慶お兄様じゃなくて、雪弥お兄様に会いたかったからなのですって」
緋菜がそう続けて、確認するように目を向ける。