『そりゃ、ラビがいるんだから俺もいるに決まってんだろ。俺はラビよりも前を歩くなんて、必要時以外はほとんどやらないからな』
「そうか、それを聞いてますます安心したよ。――君は、ラビと離れるつもりはないんだろう?」
『何故そんな事を聞く?』
ノエルが、訳が分からない人間だな、と赤い瞳を顰める。
すると、ルーファスはとても穏やかな様子で微笑んだ。セドリックとユリシスが小さく目を見張る視線の先で、彼がそこに腰かけたまま、ゆっくりと小さく頭を下げた。
「それを、私は心の底から感謝している。これまでも、ずっとありがとう。そして、もっと早めに感謝の言葉を告げられなかった事をお詫びする」
『………………』
返す言葉を探して口を開きかけ、ノエルは、何も言わずに閉じた。視線をゆっくり巡らせると、ルーファスに対して答えないまま踵を返した。
『頭を下げられるほどの事はしちゃいねぇよ。……いつも救われてんのは、ずっと俺の方なんだ』
誰にも聞こえない声で、ノエルはそう呟いた。
「そうか、それを聞いてますます安心したよ。――君は、ラビと離れるつもりはないんだろう?」
『何故そんな事を聞く?』
ノエルが、訳が分からない人間だな、と赤い瞳を顰める。
すると、ルーファスはとても穏やかな様子で微笑んだ。セドリックとユリシスが小さく目を見張る視線の先で、彼がそこに腰かけたまま、ゆっくりと小さく頭を下げた。
「それを、私は心の底から感謝している。これまでも、ずっとありがとう。そして、もっと早めに感謝の言葉を告げられなかった事をお詫びする」
『………………』
返す言葉を探して口を開きかけ、ノエルは、何も言わずに閉じた。視線をゆっくり巡らせると、ルーファスに対して答えないまま踵を返した。
『頭を下げられるほどの事はしちゃいねぇよ。……いつも救われてんのは、ずっと俺の方なんだ』
誰にも聞こえない声で、ノエルはそう呟いた。