長く生きているノエルにとっては、出会ってから流れた十数年という時間は、きっとあっという間で、だから時々その呼び名が出てくのだろう。そう察していたから、ラビは彼の【小さいラビィ】呼びに関しては何も言わなかった。
――ラビィ。小さいラビィ、こっちにおいで。お前の足じゃそっちの川はまだ無理だ。もっと浅瀬に行こう。小さな川魚が沢山いて、キラキラしていて綺麗だぞ。
その時、場を見守っていたルーファスが、タイミングが良いとばかりに手を打った。
「ラビもそう言っている。それに、姿をいつでも自由に見せられるようにしておいても、損はないと思うがね?」
『おい、伯爵家の長男坊。いや、ルーファス。こん時ばかりって感じで便乗してくんのをやめろ。お前さっき納得しただろ? 俺は、ラビに負担を掛けるつもりはな――』
「他に方法があるとしたら?」
そう言って、ルーファスがニヤリとして一束の資料を掲げて見せた。
――ラビィ。小さいラビィ、こっちにおいで。お前の足じゃそっちの川はまだ無理だ。もっと浅瀬に行こう。小さな川魚が沢山いて、キラキラしていて綺麗だぞ。
その時、場を見守っていたルーファスが、タイミングが良いとばかりに手を打った。
「ラビもそう言っている。それに、姿をいつでも自由に見せられるようにしておいても、損はないと思うがね?」
『おい、伯爵家の長男坊。いや、ルーファス。こん時ばかりって感じで便乗してくんのをやめろ。お前さっき納得しただろ? 俺は、ラビに負担を掛けるつもりはな――』
「他に方法があるとしたら?」
そう言って、ルーファスがニヤリとして一束の資料を掲げて見せた。