「――なるほど。よく分かったよ、ありがとう」

 声の方向へ顔を向けて、ルーファスがにっこりとした。その視線をピンポイントで向けられたノエルは、まるで姿を見られているような居心地の悪さを覚えて、『やっぱりこいつは苦手だ……』と口を引き攣らせた。

 彼らの話しが一通り落ち着いたところで、ラビは「ねぇノエル」とこっそり訊いてみた。

「姿を見せる方法があるの? 【月の石】だけじゃなくて?」
『あ~、まぁそれなりにな……』

 答えながらノエルは顔をそらし、『だからこっちの知識をあまり入れたくないたんだよなぁ』と小さく本音をこぼしてから、ラビへと視線を戻した。

『いいか、ラビ。無茶をしそうだから先に言っとくが、どんな理由にせよ【使い手】の手段を取るのは無しだからなッ』
「でもノエル、オレ、出来る事があるのなら何かしてやりたいんだよ」
『だから、さっきも言ったけどお前には魔力が――』
「だってノエル、すごく楽しそうだったもの」