やばい、オレよりも理解している感がすごい。
ラビは切れ者の幼馴染を前に、右にも左にも動けずにいた。ノエルが言っていた『妖獣』が当たり前のように生活の中に存在していた時代が、まさか文献にも少し残っているとは思ってもいなかったのだ。
すると、セドリックが「兄さん」と慎重に口を開いた。
「それでは、あなたはラオルテの町で起こった事についても――」
「今のところ事実と結果のみだ。一般人は襲撃現場から避難していたから、『一際大きな獣の咆哮』の他、お前たちの戦いをハッキリ記録した者もいない」
ルーファスは、弟からの問い掛けをスッパリと切り捨てた。ぐるぐると考えているラビに視線を向けると、その眼差しから威圧感を解いて、気遣い宥めるような微笑を浮かべる。
「だから存在しているのであれば、母上に見せた時と同じように、私の目の前にも姿を現して欲しいと思っているんだよ。君の『相棒』は、今もここにいるんだろう?」
そう言って、彼がラビの周りへそっと目をやる。
ラビは切れ者の幼馴染を前に、右にも左にも動けずにいた。ノエルが言っていた『妖獣』が当たり前のように生活の中に存在していた時代が、まさか文献にも少し残っているとは思ってもいなかったのだ。
すると、セドリックが「兄さん」と慎重に口を開いた。
「それでは、あなたはラオルテの町で起こった事についても――」
「今のところ事実と結果のみだ。一般人は襲撃現場から避難していたから、『一際大きな獣の咆哮』の他、お前たちの戦いをハッキリ記録した者もいない」
ルーファスは、弟からの問い掛けをスッパリと切り捨てた。ぐるぐると考えているラビに視線を向けると、その眼差しから威圧感を解いて、気遣い宥めるような微笑を浮かべる。
「だから存在しているのであれば、母上に見せた時と同じように、私の目の前にも姿を現して欲しいと思っているんだよ。君の『相棒』は、今もここにいるんだろう?」
そう言って、彼がラビの周りへそっと目をやる。