「私は何も責めていないよ。ただ、それに似た可能性については、昔からずっと考えていた――と言えば、君に伝わるだろうか?」

 そう言って、宥めるように弱々しく微笑えむ。

 幼かった少年時代を彷彿とさせるその笑みを見て、ラビは彼が本当に、責めるような感情の一つもなく、この質問をしたのだと気付いた。どうしてか、優位に立っているはずのルーファスから、申し訳なさと少しの切なさを覚えた。

「そもそも、ラビは家を出る際に言ったじゃないか」
「オレが言った事……?」
「そうだよ。一人暮らしをする事を止めた私に、『一人じゃないから』とだけ答えた。君は嘘をつけないからね。だから私は、両親の家に戻る君の意思を、妨げない事を決めたんだ」

 まるで信じているからこそ、たったそれだけの言葉を正面から受け止めて、見えない友達の存在をどこかで考えていた、というようなニュアンスだった。