もう一度会えたのは嬉しいけれど、これ、どうしよう。

 ラビは、他の人には見えない黒大狼と、浮いた灰色の仔猫の激しく続く言い合いを前に、しばし思考ごと停止してしまって「ええぇぇぇぇ……」と声をこぼした。

           ※※※

 その頃、王都にある第三騎士団の支部にて、団長のグリセン・ハイマーズが、調査任務からようやく帰還したセドリック一向の報告を受けていた。

 グリセンは、時系列に沿って簡潔に並び立てられた内容を聞くごとに、顔色を悪くしていった。そして、ラビが大蛇の口に突っ込んでいった、という下りで激しい胃痛に襲われて、崩れ落ちた。



                    了