ラビは、改めて周囲の様子を確認したところで、ヒューガノーズ伯爵への説得策が潰えてしまった事を悟って項垂れた。そのうえ、幼馴染にもしばらく子供扱いしてくると言われるとか、一体どうしてこうなってしまったんだろう。

 恐らくは、外見の身体的な差が、問題のような気もしてきた。

 なんで自分の身長は、あまり伸びてくれないでいるのだろうか。その成長の遅さゆえに、胸もジャケットで隠れてしまうくらい小さいのだけれど、そんな事はどうでもいいから、逞しい骨格と背丈が欲しいと思った。

 そうであったのなら、もう『子供扱い』で『抱っこ』してくるのも、終わってくれていたのかもしれない。

「やっぱりセドがバカデカいせいで、俺が子供みたいに見えて、誰も何も指摘してこないのかなぁ……」
「さぁ、どうでしょうかね」

 ずっと愛称を呼ばれていたセドリックは、つい笑みをこぼして、苦手意識や緊張を覚えられる前にそっと下ろした。

 その声は、先程よりも機嫌が良さそうである。そう察したラビは、地面に下りてすぐ、むっとした表情を浮かべた。