「つまり、試してみて分かった事は、俺は父に同意だという事です」
「えぇぇッ、まさかの伯爵と同意見!?」

 てっきり、子供じゃないからやっぱり変ですよね、とこちらの意見に賛成してくれると思っていたのに、ヒューガノーズ伯爵の意見を支持する結果には、驚きを隠せなかった。今しばらくは、この子供扱いをされろという事だろうか?

「待って待って、オレは十七歳だよ? それなのに、セドはまた『抱っこ』したいとか思うわけ!?」
「思います。そして、します」
「なんでここに来て、これからやっていく宣言してくんの!? おかしいよ、オレ何も許可してないからッ」

 というか、誰も指摘してこないし、注意してくる気配すら微塵にもないのだが。

 まるで父親のヒューガノーズ伯爵みたいに話が通じなくて、ラビは焦って辺りの様子に目を走らせた。しかし、近くを通り過ぎていった貴族らしき男女も、抱き上げられているこちらの様子には、全く違和感を覚えていないようだった。