そう考えたラビは、背の高いセドリックに向かって、両手を伸ばして愛想良く答えた。てっきり、ヒューガノーズ伯爵みたいに、ぎゅっとして持ち上げるのだろうと思っていたら、彼の腕が背中に回されてすぐ、流れるような自然な仕草で、軽々と片腕に抱き上げられていた。
服越しに触れたところから、自分よりも高い体温が伝わってきた。背が高いせいか、足元がとても地面と離れているような気がする。
片腕に抱き上げられたラビは、びっくりして見つめ返した。こちらを近い距離から、じっと見上げているセドリックの表情は、やはり真面目だった。
「ラビ」
ようやく口を開いたかと思ったら、まるで何かを確認するみたいに、彼が少しだけ顔を近づけて名を呼んできた。何か質問でもあるか、続く言葉があるのだろうと推測して待ったけれど、彼は何も言ってこないでいる。
ラビは不思議になって、セドリックの濃い藍色の瞳を見つめ返して、小首を傾げた。
「セド? どうしたの?」
服越しに触れたところから、自分よりも高い体温が伝わってきた。背が高いせいか、足元がとても地面と離れているような気がする。
片腕に抱き上げられたラビは、びっくりして見つめ返した。こちらを近い距離から、じっと見上げているセドリックの表情は、やはり真面目だった。
「ラビ」
ようやく口を開いたかと思ったら、まるで何かを確認するみたいに、彼が少しだけ顔を近づけて名を呼んできた。何か質問でもあるか、続く言葉があるのだろうと推測して待ったけれど、彼は何も言ってこないでいる。
ラビは不思議になって、セドリックの濃い藍色の瞳を見つめ返して、小首を傾げた。
「セド? どうしたの?」