「だって普通、大人になったらやらないものでしょう?」
「だからこそですよ。ラビの言う『子供扱い』が、もし今のあなたに不必要なものなら、ここにいる大人達のほとんどが指摘してくれます」

 抵抗感はないと見て取ったセドリックは、真面目な様子で周囲を手で示した。

 先日も実家の飼い猫に邪魔され、その後に出迎えた際にも、優秀な副官がついてきて邪魔された。限界に近かった彼の覚悟を決めた勇士のさまを、ノエルが『そこまでして、お前……』と、憐れみと同情の目で見守っていた。

 ラビは、セドリック促されてすぐ、周りを見渡した。

 王宮前の広い通りを歩く人々は、帽子から覗く自分の金髪金目だけでなく、今は大きなノエルの存在もあって、以前より更によそよそしい。そのうえ全く見知らぬ人達である彼らが、わざわざ注意して教えてくれる事なんてあるのだろうか? 

 そう思っていたら、まるで心を読んだみたいに、セドリックがこう言ってきた。