言いながら、ぎこちない動きで視線を逃がされた。人と話す時は、目を見て話しなさい、というのが彼の口癖だったから、ラビは不思議に思って見つめていた。
自身の父親について思い返しているのか、顔をそらしたセドリックが「いや、これは二度と来ないチャンスなのでは……」と口にして、何やら一人でぶつぶつ口の中で言い始める。耳を傾けてみるけれど、よく聞こえなかった。
ラビは、一体何を思案しているのか分からなくて、「どうしたの?」と尋ねてみた。けれど返事がなくて、首を傾げてしまう。
「…………なら俺が、試してみてもいいですか?」
すると、唐突に彼がこちらを見て、そう言った。
「試すって、何を?」
「抱き上げてみれば、分かるのではないかと思いまして」
「えぇぇ……。それって、実際に抱っこしてみないと、分からないものなの?」
ラビは、相手が気心知れた幼馴染だった事もあって、恥ずかしさはなかった。もう十七歳なのに、子供みたいに抱っこされるのは嫌だな、と表情に出して続ける。
自身の父親について思い返しているのか、顔をそらしたセドリックが「いや、これは二度と来ないチャンスなのでは……」と口にして、何やら一人でぶつぶつ口の中で言い始める。耳を傾けてみるけれど、よく聞こえなかった。
ラビは、一体何を思案しているのか分からなくて、「どうしたの?」と尋ねてみた。けれど返事がなくて、首を傾げてしまう。
「…………なら俺が、試してみてもいいですか?」
すると、唐突に彼がこちらを見て、そう言った。
「試すって、何を?」
「抱き上げてみれば、分かるのではないかと思いまして」
「えぇぇ……。それって、実際に抱っこしてみないと、分からないものなの?」
ラビは、相手が気心知れた幼馴染だった事もあって、恥ずかしさはなかった。もう十七歳なのに、子供みたいに抱っこされるのは嫌だな、と表情に出して続ける。