長期任務後は、休暇が与えられる決まりであるらしい。明日はゆっくり休むといいよ、と最後に幼馴染としてそう言われた後、ラビはセドリック達と共にルーファスの執務室を出た。

 王都には国家獣師の本部もあり、害獣専門の獣師も集まっているから、相棒である獣を連れている光景も珍しくないのだという。

 王宮の通路を歩きながらそう教えられて、王都入りの初日に回れなかったところを、ノエルとゆっくり散策してみてもいいかもしれないと思った。

「通常出勤の際には、まずは第三騎士団の支部に足を運んで頂きます。そこで仕事内容を確認して、その日の分として与えられたスケジュールに従って、業務をこなしていく形です」

 ラビは、王宮を出たところで、セドリックから騎士団の専属獣師としての流れをざっと教えられた。

「ですが、ウチに専属獣師が就任するのは、初めての事です。団長も確認しておくと言っていましたので、軍人としての巡回仕事にも付くのかどうか、といった内容については、後日に改めて決まる事になると思います」