だからこそ、嫌だったのだ。あの視線に慣れるなんて、出来る筈がない。それに、外に出ればノエルと自由に話せる時間も限られてしまうだろう。第三騎士団の専属獣師となった今、どれくらいの時間を『親友なんて見えません』という振りをして過ごさなければならないのだろうか?
思い返せば、ホノワ村にやってきた王宮警察部隊の人間は、特に驚きも見せず淡々と知らせを告げた。けれど申請を通し、今回の件に許可を出した連中は、自分が『悪魔の色』を持っている獣師だという事をどう思っただろうか。
ラビの顔色が唐突に優れなくなったと気付いて、セドリックが腰を屈めた。
「ラビ、大丈夫ですか? 何か不安事でも思い出しましたか?」
「…………そんなんじゃねぇし。……オレは、強い子だもの」
思わずぶっきらぼうに答えたものの、最後は無意識に素の口調で言葉をこぼしていた。知らない誰かの反応なんて想像したくない。色が珍しいというだけで、関わりのない人間から蔑む目を向けられる様子を思い出したくない。
思い返せば、ホノワ村にやってきた王宮警察部隊の人間は、特に驚きも見せず淡々と知らせを告げた。けれど申請を通し、今回の件に許可を出した連中は、自分が『悪魔の色』を持っている獣師だという事をどう思っただろうか。
ラビの顔色が唐突に優れなくなったと気付いて、セドリックが腰を屈めた。
「ラビ、大丈夫ですか? 何か不安事でも思い出しましたか?」
「…………そんなんじゃねぇし。……オレは、強い子だもの」
思わずぶっきらぼうに答えたものの、最後は無意識に素の口調で言葉をこぼしていた。知らない誰かの反応なんて想像したくない。色が珍しいというだけで、関わりのない人間から蔑む目を向けられる様子を思い出したくない。