大蛇の口に突入した瞬間、まるで空間が歪むみたいに、身体の重心が分からなくなった。頭の中がぐらりと強く揺れた一瞬、意識が途切れで、飛び込んだ蛇の口内の暗さを映し出していた視界が、ブツリと切れて聴覚も遮断された。
気付くとラビは、見た事もない穏やかな草原に立っていた。
一面に広がっている草が、揺れているのに音は聞こえないし、温度も感じない。
ああ、きっと夢を見ているんだろうなと思った。意識を失うなんて情けない、早くノエルの背中にいる『自分の身体に戻らなくちゃ』と、自分でもよく分からない事を考えながら視線を上げる。
見上げた空は、クッキリとした青だった。日中なのに、まるで夢物語みたいな大きな薄い月があって、巨大な数匹の生物が、翼を動かせて優雅に飛んでいる。
遠くの地平線には、こじんまりとした村落の、古びた造りの屋根が見えていた。見た事もない兎みたいな生き物が、蕾みたいなものを付けた頭の触覚を揺らしながら、背中の薄い翅で低く飛んで、集団で過ぎっていくのが目に留まった。
気付くとラビは、見た事もない穏やかな草原に立っていた。
一面に広がっている草が、揺れているのに音は聞こえないし、温度も感じない。
ああ、きっと夢を見ているんだろうなと思った。意識を失うなんて情けない、早くノエルの背中にいる『自分の身体に戻らなくちゃ』と、自分でもよく分からない事を考えながら視線を上げる。
見上げた空は、クッキリとした青だった。日中なのに、まるで夢物語みたいな大きな薄い月があって、巨大な数匹の生物が、翼を動かせて優雅に飛んでいる。
遠くの地平線には、こじんまりとした村落の、古びた造りの屋根が見えていた。見た事もない兎みたいな生き物が、蕾みたいなものを付けた頭の触覚を揺らしながら、背中の薄い翅で低く飛んで、集団で過ぎっていくのが目に留まった。