ずっと一緒に過ごしてきた幼馴染であるセドリックの性格からすると、秘密を話すような事はしないだろう。続く騒ぎの中で彼らに質問された誰かが、面倒になって適当にそう説明した可能性が脳裏を過ぎった。
本当の事を説明するわけにもいかないし、そんな時間もない。そう考えると、これは合わせておいた方がいいのかな、とも思えてきた。
「うん……、あの、まぁ、そんなところかな……? オレ、獣師なんだ」
ラビは、しばしベック達と見つめ合って、それから下手くそなその場しのぎのような返答を口にした。けれど、なんと言っていいのか分からず、言葉が途切れてしまう。
ぎこちなく視線を逃がしてトーリの方を見やると、ノエルがニヤリとして、彼に声を掛けるところだった。
『やるな、猫野郎』
『テメェの事は微塵にも心配してねぇ。鼻先に蹴りぶちこまれたくなかったら、口を閉じてろ犬野郎』
空中で仁王立ちしたトーリが、すかさず器用に親指を立てて下に向け、その手を首の前で横に引っ張った。大きなくりくりとした金緑の瞳は、完全に殺気立って絶対零度で坐っている。
本当の事を説明するわけにもいかないし、そんな時間もない。そう考えると、これは合わせておいた方がいいのかな、とも思えてきた。
「うん……、あの、まぁ、そんなところかな……? オレ、獣師なんだ」
ラビは、しばしベック達と見つめ合って、それから下手くそなその場しのぎのような返答を口にした。けれど、なんと言っていいのか分からず、言葉が途切れてしまう。
ぎこちなく視線を逃がしてトーリの方を見やると、ノエルがニヤリとして、彼に声を掛けるところだった。
『やるな、猫野郎』
『テメェの事は微塵にも心配してねぇ。鼻先に蹴りぶちこまれたくなかったら、口を閉じてろ犬野郎』
空中で仁王立ちしたトーリが、すかさず器用に親指を立てて下に向け、その手を首の前で横に引っ張った。大きなくりくりとした金緑の瞳は、完全に殺気立って絶対零度で坐っている。