『やぁ人間の坊や、まさかここに来ているとは思わなかったよ。でもまぁ、この森に害獣がいないって事も分かったし、これが解決したら休憩地点として使えようになるみたいだ。蛇の天敵の鳥代表として、僕らが微力ながら加勢させてもらうよ』
「そっか、蛇にとっては天敵だっけ……。ありがとう!」
『いやいや、どうって事ないさ。そうそう、この『翼もないのに飛ぶ猫』に、なかなか大変な事になっていると聞いてね、それで助けに来たんだ』

 彼は翼を器用に動かして後ろ指をさすと、『じゃあ頑張りなよ』とネクタイを揺らして、再び群れに合流していった。

 呆気に取られるセドリック達の中で、ヴァンが目を擦って「気のせいか」と呟く。

「鳥がウインクしたように見えたわ」
「というかさ、今の鳥、ネクタイしてなかった?」

 テトが、面白そうに呑気な表情で明るく尋ねる。質問を向けられた相棒役のジンが、茫然とした様子で「お前の順応能力には感心する」とぼやいて、こう続けた。