別れを告げるべく手を振ると、トーリが『おいおい、ちょっと待てよッあっさり行くなよ』と、少し焦った様子でふわりと浮遊して付いてきた。

『お前らさ、すごく好戦的なのは構わねぇけど、どうやって大蛇に接近するのか、考えてないだろ。まず、あの小さい蛇共はどうすんだよ?』

 めちゃくちゃうじゃうじゃいんだぞ、もう有り得ないくらいの群れなんだ、とまるで説得するようにして言う。

 言葉早く尋ねられたラビは、横からこちらを覗き込んできたトーリを、歩きながらきょとんとして見つめ返した。ノエルも訝った目を向けて、露骨に顔を顰める。

 大量に現われるという蛇については、身体は脆いらしいし、噛まれなければいい。つまり強敵ではない、という自己解釈に辿り着いていたラビ達は、改めて自身の中のその意思を確認すると、表情そのままにこう答えていた。