そのため今回の対害獣法令、貴重人材適正法があるのだとルーファスは語った。害獣を取り扱う未成年獣師が、国家獣師となれるかの見極めにもなり、なれなくとも対害獣の専属獣師として所属先を国が斡旋する事で、人材確保へと努めてもいるのだ。

「騎士団が主に仕事を依頼しているのは、対害獣の獣師だ。害獣専門を掲げる者は一握りで、彼らの中には国家獣師もいる。だから、セドリックのいる第三騎士団の専属獣師がいても珍しくはないわけだよ」

 各騎士団の半分には、既に専属獣師が配属されているらしい。専属がない場合、国家獣師に依頼を掛ける事もあるが、彼らの場合は人数が少なく、指名も多く入るため都合が付かない事も多いという。

 うん、そんな軍部事情、オレ関係ないよね?

 しかも氷狼とホノワ村の件だけで、国家獣師になれるかどうかの見極めもしつつ、第三騎士団の専属獣師になるというのも急過ぎる気がするのだ。たった一度、氷狼の件に関わったというだけで対害獣法令が発動されるくらい、国は人材不足に喘いでいるのだろうか。