『あいつらは脅し向きの排除用で、数を増やされて魔力を分散されているから、一匹ずつの身体はかなり脆い。もしやり合うとしたら、とにかく噛まれない事が大事だが、消えない大量の蛇相手じゃ敵わねぇよ。それに、大本になっている術が感知して、侵入者を本格的に排除するため向かうようになっているんだ。打つ手はないぜ』

 第一段階が大量の小さな蛇、そして、そこには続く第二段階目があるらしい。

 そうラビが、頭の中で情報を整理し始めてすぐ、隣にいたノエルが途切れた会話を繋げるようにして、話の中で気になった点を尋ねた。

『発動中の術を消すのが無理だ、というのがお前の見解らしいが、それはなんでだ? 本格排除の魔術とやりあう前に、ひとまず有幻影の蛇を消す方法を取れば、同時に相手にしなくて済むだろ』
『戦力を削ぐってわけか。残念ながら、そいつは無理だぜ。何せ、有幻影の大量の蛇に関しても『ラティーシャ様の首飾り』本体に掛けられている、多重術のうちの一つだからだ』