けれど、その姿をイメージしかけた時、特殊な特徴が聞こえて、ラビは途端に想像が霧散してしまった。聞き間違いだろうか、と思ってトーリを見つめ返す。

「蛇が、半透明?」
『実際に身体が透けているわけじゃねぇよ、いちおう実体はあるからな。本来、人間世界じゃ実体を持たない【妖獣】としての性質を持ち合わせているせいで、色合いがそう見えるんだ。今頃、お前らが上に残してきた連中のところには、そいつらが出ていると思う』

 直前まで一緒にいた、セドリック達の姿が脳裏に浮かんだ。全員それなりに剣の腕もあるだろうけれど、相手が猛毒持ちも混じっている大量の蛇だと思うと、先程よりも心配さが増す。

「蘇るって事は、死なない蛇なんだよね……。何か対策はないの?」
『発動中の術を止めるのが正しい対処法だが、それは無理だろうな。全員が、術範囲内と定められている敷地の外まで、出るしかないだろうぜ』

 尋ねられたトーリが、子供に言い聞かせるようにしてラビに説いた。