想像がつかなくて、あのお調子者みたいな、騒がしい三人の兄弟盗賊の事を思い返した。先程建物全体が大きく揺れたのも、彼らが触った仕掛けが【術】の一つだった可能性はあるのだろうか。
そう考えていると、こちらの沈黙をなんと取ったのか、トーリが『なーに、心配すんなって』と調子良く言った。
『入って来てから、一つも仕掛けに触れていない状態なら大丈夫だ。防衛魔術は、基本的に神殿を守る事を基盤に作られているから、感知されなければ発動持続中の術に巻き込まれないで済む』
それを聞いたノエルが、半眼になって口許を引き攣らせた。彼に『教えてやれよ』と諦めた声色で頼まれて、ラビはゴクリと唾を呑みこんでトーリに向き直った。
「あのさ、トーリ……? オレ、ここには騎士団の専属獣師として、一緒に調査に来たんだ」
『へぇ、一人じゃなかったのか』
「うん、それで、その…………予想外の乱入者があって、仕掛けを触ってちょっと地震みたいなのが起こったんだけど、これって大丈夫なのかな?」
尋ねると、今度はトーリの方が、ふわふわとした全身の毛をぶわりとさせて『え゛』と声を上げて硬直した。その表情から、面倒な事になるぞという言葉が見て取れた。
そう考えていると、こちらの沈黙をなんと取ったのか、トーリが『なーに、心配すんなって』と調子良く言った。
『入って来てから、一つも仕掛けに触れていない状態なら大丈夫だ。防衛魔術は、基本的に神殿を守る事を基盤に作られているから、感知されなければ発動持続中の術に巻き込まれないで済む』
それを聞いたノエルが、半眼になって口許を引き攣らせた。彼に『教えてやれよ』と諦めた声色で頼まれて、ラビはゴクリと唾を呑みこんでトーリに向き直った。
「あのさ、トーリ……? オレ、ここには騎士団の専属獣師として、一緒に調査に来たんだ」
『へぇ、一人じゃなかったのか』
「うん、それで、その…………予想外の乱入者があって、仕掛けを触ってちょっと地震みたいなのが起こったんだけど、これって大丈夫なのかな?」
尋ねると、今度はトーリの方が、ふわふわとした全身の毛をぶわりとさせて『え゛』と声を上げて硬直した。その表情から、面倒な事になるぞという言葉が見て取れた。