数歩ほど離れた場所の床で、鼻先を近づけて慎重に歩いているノエルを、手ぶりを交えて呼んだ。歩み寄ってきた彼が、指を差した場所に目を留めて『ああ、これは違うな』とすぐに言った。
『当時あった派閥の紋章だ。妖獣師の中には、術者としての傾向がハッキリ別れていたグループもあって、これは蛇タイプの妖獣だけを専門としていた団の、正式マークだな。この形をした金の装飾品を、必ず腕にしていた』
「あっ、ちょっと崩れているけど、隣の支柱に蜥蜴(とかげ)と蜘蛛(くも)っぽい彫刻もあるっ」
『もしかしたら、各派閥のマークがあるのかもな。妖獣同士の相性を引き継ぐみてぇに、あいつらも派閥別に苦手として距離を置いているグループもあったから、こっちの支柱が『蛇』となると、多分向かい側か、結構離れた所に『鳥』が――』
その時、ラビは場違いな「おぉぉッ、これじゃね!?」という歓喜の叫びを聞いて、びっくりして少し肩をはねさせた。
『当時あった派閥の紋章だ。妖獣師の中には、術者としての傾向がハッキリ別れていたグループもあって、これは蛇タイプの妖獣だけを専門としていた団の、正式マークだな。この形をした金の装飾品を、必ず腕にしていた』
「あっ、ちょっと崩れているけど、隣の支柱に蜥蜴(とかげ)と蜘蛛(くも)っぽい彫刻もあるっ」
『もしかしたら、各派閥のマークがあるのかもな。妖獣同士の相性を引き継ぐみてぇに、あいつらも派閥別に苦手として距離を置いているグループもあったから、こっちの支柱が『蛇』となると、多分向かい側か、結構離れた所に『鳥』が――』
その時、ラビは場違いな「おぉぉッ、これじゃね!?」という歓喜の叫びを聞いて、びっくりして少し肩をはねさせた。