「何が起こるか分からない場所の探索については、ある程度の人数で行く場合は『何かあっても対応して突破出来るデカい奴』を前後に置くもんだ。その方が、いざって時の危険性が減る」

 つまり、小さいと隊列の中央なのだろうか?

 軍として動く場合の常識を知らないラビは、そう思って他のメンバーに問う目を向けてみた。すると、視線に気付いたテトが「俺いつも真ん中だぜ、んでサーバル先輩がいつも最後尾」と、普段からそうであるという様子で教えてきた。

 今は第三騎士団に所属して行動している身であるし、副団長として部下を率いている幼馴染のセドリックに、迷惑を掛ける気はなかった。「そっか」と頷いて見せたら、ノエルがちらりと目を合わせて、ちょっと肩を竦める仕草をした。

『了解、そっちの煙草臭い方が、先頭を歩くってわけか。別に構わねぇぜ。姿が見えないにしても、曲がり道があれば俺が声で指示してやる。それから繰り返しになるが、周囲にある物には安易に触れるなよ、何かしら仕掛けがされている可能性があるからな』