「ノエル、起きてたの?」
『まぁ、一応な』
そう言いながら、ノエルがチラリと室内を覗きこんだ。
『行動予測を裏切らないというか……。音で状況はなんとなく察したが、全然疑われていないってのも、ここまでくると哀れだよなぁ…………』
「なにが?」
『あ~っと……、なんでもねぇよ』
認めてはいるが釈然としない気持ちもあって、ノエルは結局、中立の立場でラビの後を付いていったのだった。
※※※
二度目の就寝は、夢も見ないくらいぐっすりだった。
スッキリと目が覚めた朝、ラビは支度を整えて、ノエルと共に宿の一階へと降りた。擦れ違う途中で帽子から覗く金髪に気付いて、端に寄った人が譲った廊下や階段を、身体の大きなノエルが悠々と尻尾を揺らせて歩いた。
一階の開けたフロア兼食堂スペースには、ローブやターバンを巻いた数人の客達が、それぞれ椅子に腰かけて寛いでいた。しかし、ラビの金髪に遅れて気付くと「さて、そろそろ行くか」とわざとらしく口にして、そそくさと出て行った。
『まぁ、一応な』
そう言いながら、ノエルがチラリと室内を覗きこんだ。
『行動予測を裏切らないというか……。音で状況はなんとなく察したが、全然疑われていないってのも、ここまでくると哀れだよなぁ…………』
「なにが?」
『あ~っと……、なんでもねぇよ』
認めてはいるが釈然としない気持ちもあって、ノエルは結局、中立の立場でラビの後を付いていったのだった。
※※※
二度目の就寝は、夢も見ないくらいぐっすりだった。
スッキリと目が覚めた朝、ラビは支度を整えて、ノエルと共に宿の一階へと降りた。擦れ違う途中で帽子から覗く金髪に気付いて、端に寄った人が譲った廊下や階段を、身体の大きなノエルが悠々と尻尾を揺らせて歩いた。
一階の開けたフロア兼食堂スペースには、ローブやターバンを巻いた数人の客達が、それぞれ椅子に腰かけて寛いでいた。しかし、ラビの金髪に遅れて気付くと「さて、そろそろ行くか」とわざとらしく口にして、そそくさと出て行った。