続いてラビが向かったのは、先にノエルが察知していた、鳥が休憩しているという場所だった。そこもまた町からほんの少しだけ離れただけの場所で、眩しい町の灯りにぼんやりと照らし出されたそこには、多くの鳥が羽を休めていた。


 長い距離を旅する渡り鳥の一種らしい彼らは、丈の長さが掌二つ分で、足は長かった。頭の先が目印のように白くなつていて、首回りと羽先には黒い柄がついている。
 首にネクタイをしているというかなり個性的な特徴を持った鳥は、すぐに見つかった。他の鳥達が鳥らしい姿で静かに身体を休める中、一羽だけ鳥らしかぬ体勢で、ほんの五メートル離れた位置で夜空を仰いでいた。

 尻を地面にぺたりと降ろして翼を後ろにつき、棒のように細い足を前に投げ出している。その様子はなんだか人間臭くもあり、首にひっかけられたネクタイも、きちんと結び目が作られてフィットしていた。

『……あれ、マジで鳥か?』
「……そうだと思うけど」