治安局に三人の盗賊を預けた騎士団一行は、ユリシスが手続きを済ませるまで建物の外で待っていた。
 街の中心地近くにある役場内に設けられたそこは、大人数で入るには広さがなく、防犯のためローブや顔を隠すような帽子等を外す決まりも設けられているので、この人数だと騎士服姿もあって目立ってしまう事も避けたい考えがあった。

 セドリックは、この知らせが後日届くであろう事を想像して、深々と溜息をこぼした。
 第三騎士団の団長は、グリセン・ハイマーズといい、セドリックよりも一回り年上の侯爵家の人間だった。軍人家系ではない学問肌の一族から異例の入隊を果たした彼は、特に軍事戦略に長けていた事で最年少で団長の地位に就いた男だ。

 軍人として高い評価を得ている傍ら、グリセンはかなり胃が弱い事でも知られていた。先日に起こった氷狼の件では、何度か意識を飛ばしていたし、王都に帰還した直後には重なった精神的な苦労がぶり返して、三日間寝こんだのである。おかげで、書類仕事が溜まって大変な事になった。