呆気なく目的が達成出来てしまって、ラビは放心状態が続いていた。

 ケイティという男は、もしかしたら金髪金目だろうと、文句を言わせない権力を持っている男なのだろうか……?
 そう勘繰って先程尋ねてみたら、彼は笑って「君は素直だねぇ。そんな事ないよ、僕は運よく少しばかり成功したってだけの、ただの田舎上がりの商人さ」とウインクを一つしてきた。

『……まぁ、近くの飲食店まで紹介してもらえて、良かったじゃねぇか』

 ノエルは、引き続き付いてくる二人の男達の気配にチラリと目を向け、それから、ラビに向かってそう言った。

『その肉が入ったサンドイッチ、後で俺にもくれ』

 うん、それは当然そうするつもりだけど……

 というかノエルは、食べ物につられて、後が良ければ全て良しという普段の気楽さが出ているような気がしないでもないのだ。
 ラビは思わず、隣を歩く親友を盗み見てしまった。

「さて、僕はここまでかな。これから別件で行くところがあってね」