いつもの作業着ではなく、真新しい匂いがするシャツの上から型崩れのしない軍服仕様のジャケットを着込み、しっかりズボンをベルトでしめたその姿は――まさに見習い少年隊士である。

 質の良い軍服仕様の衣装は、ラビの金色の柔らかい髪と白い肌がよく映えた。丸い大きな金の瞳も、一見すると育ちの良さを思わせる。通常にはない一回り華奢な、まるで子供用のような軍服のサイズは、寸法でも計ったのかと疑ってしまうほどぴったりだ。

 正直、こんな小さな軍服もあるのか、と取り出した際に思っていた。

 だから実際に着替えてみて「長さもピッタリで着心地抜群だ」と、自分の口から感想がこぼれ落ちた時、ラビはますます苛々した。


 ラビは、十七歳の少女である。しかし、普段から男装し、男口調で話す彼女は、ぱっと見ると少年そのもので、性別を間違われる場合は十五歳かそれ以下の子供に見られた。

 新しい軍服仕様の衣装は、金髪金目と小奇麗な顔もあって、品のある男の子である。――馬車の座席で露骨に不機嫌さを漂わせて、口を一文字に引き結んでいるのが全てを台無しにしているが。