「殺された人は、町の中で買い物とかしていたんだよね?」
「まぁ、そうだな? 目撃情報がいくつかあって調書は取ったが……」
「その人が立ち寄った先とか、分かる?」
「え、えぇと、その……」

 グリセンは、こちらに真っすぐ向けられる、好奇心旺盛な大きな金色の瞳に動揺した。

 近くから見てみると、男にしては小さな顔だと思った。首も折れてしまいそうなほど細く、血色の良い唇は柔らかそうで、こうして正面から観察すると、白い肌は真珠のように滑らかにも見える。

 目の前にいるのは、口調も荒く、話し合いの途中で身を乗り出す落ち着きのない少年だ。しかも、昨夜到着して早々に、自分の部下達をぶっ飛ばしたとんでもない問題児である。

 とはいえ、あの時と違い好戦的でもなく、不貞腐れた表情もしていないラビを改めて観察したグリセンは、この少年獣師が、やたら小奇麗な容姿をしている事に気付かされた。瞳を輝かせる表情も、小動物のように可愛らしい。