ラビは、何故そこで、伯爵家の長男であり、セドリックの兄であるルーファスの名前が出てくるのだろうと不思議に思った。問い掛けてみようかと考えた矢先、先にグリセンが質問を投げかけて来た。
「……君はセドリックだけでなく、ルーファス総団長とも深い仲なのかい?」
「『深い仲』? セドリックと同じ幼馴染だよ。一時期世話になった際に殴り合って、それから交友が続いている感じかな。最後に会ったのは四年くらい前で、それからは手紙はもらってるぐらい」
「総団長と殴り合ッ……!?」
グリセンは、途端に激しい胃痛で背を折り曲げた。脂汗を浮かべ、青い顔で「ぐぅぅ」と呻く。
彼が握りしめる手紙を見やったユリシスが、察したように微かに片眉を引き上げた。
「団長、ルーファス総団長から何か知らせでも頂いたのですか?」
「いやッ、これは、その……」
「その紙はあれですよね。非常伝令用の鷹――」
「違うぞユリシス! これは決して個人的な内容ではないのだッ」
今にも死にそうな顔で、グリセンは「だから軍の規律に反するものではないッ」と必死に主張した。
「……君はセドリックだけでなく、ルーファス総団長とも深い仲なのかい?」
「『深い仲』? セドリックと同じ幼馴染だよ。一時期世話になった際に殴り合って、それから交友が続いている感じかな。最後に会ったのは四年くらい前で、それからは手紙はもらってるぐらい」
「総団長と殴り合ッ……!?」
グリセンは、途端に激しい胃痛で背を折り曲げた。脂汗を浮かべ、青い顔で「ぐぅぅ」と呻く。
彼が握りしめる手紙を見やったユリシスが、察したように微かに片眉を引き上げた。
「団長、ルーファス総団長から何か知らせでも頂いたのですか?」
「いやッ、これは、その……」
「その紙はあれですよね。非常伝令用の鷹――」
「違うぞユリシス! これは決して個人的な内容ではないのだッ」
今にも死にそうな顔で、グリセンは「だから軍の規律に反するものではないッ」と必死に主張した。