ラビが加工台に向かって背を向けてしまうと、暇を持て余したユリシスが、早速近くに積み重なっていた古紙の束に目を向けた。
つまんで広げてみて初めて、ユリシスは、そのほとんどが地図なのだと気付いた。かなり書き込みがされており、国内ばかりではなく、大陸全土の地図が収集されているようだった。集められた地図は黄ばんで古びており、何度も広げては畳まれた跡が残されている事にも気付いた。
セドリックも、近くから一冊の地図を拾い上げ、地図を黒く塗り潰すバツ印を見て眉を顰めた。どれも人里を中心に書き加えられ、ついでといった具合で、生息している動物や害獣の名前が走り書きされている。
「ラビ、このバツ印はなんです?」
『仕分けてる地図を勝手に見てるけど、いいのか?』
セドリックが華奢な背中に問い掛けた時、窮屈そうに床に寝そべっていたノエルも同時に確認の声を上げた。
ノエルの言葉を聞いたラビは、眉間に皺を刻み、自由すぎる二人の男を振り返った。彼女は、ノエルの尻尾を踏まないよう避けて通ると、セドリックとユリシスの手から地図を奪い返した。
つまんで広げてみて初めて、ユリシスは、そのほとんどが地図なのだと気付いた。かなり書き込みがされており、国内ばかりではなく、大陸全土の地図が収集されているようだった。集められた地図は黄ばんで古びており、何度も広げては畳まれた跡が残されている事にも気付いた。
セドリックも、近くから一冊の地図を拾い上げ、地図を黒く塗り潰すバツ印を見て眉を顰めた。どれも人里を中心に書き加えられ、ついでといった具合で、生息している動物や害獣の名前が走り書きされている。
「ラビ、このバツ印はなんです?」
『仕分けてる地図を勝手に見てるけど、いいのか?』
セドリックが華奢な背中に問い掛けた時、窮屈そうに床に寝そべっていたノエルも同時に確認の声を上げた。
ノエルの言葉を聞いたラビは、眉間に皺を刻み、自由すぎる二人の男を振り返った。彼女は、ノエルの尻尾を踏まないよう避けて通ると、セドリックとユリシスの手から地図を奪い返した。