そんな中、小さな食卓に二人の男が窮屈そうに腰かける事になったのだ。元々三人家族で住んでいたので、どうにか椅子の数は足りたが、ラビとしては不服だった。
「このお茶、苦いですね」
「嫌なら帰れ」
ユリシスが淹れたての茶を飲んで早々、感想を口にした。家に上がった当初、彼は整理整頓のなさを指摘し、人間が住む場所じゃないとまで言い放ったが、上司であるセドリックが腰を落ち着けているためか、出て行く気配は一向になかった。
ラビは、苛々しながら作業台の上の支度を進めた。改めて室内の様子を見渡したセドリックが、「すごく狭くなりましたね」と驚いた様子で口にする。
ここ数年で本や地図などの資料が増えていたから、ラビは彼を家に入れていなかった。何かと煩く言われるだろうと想像が付いていたし、一人と一匹で暮らしているのだから、大きな彼が入ると窮屈になってしまう。
「この大量の本は、一体なんです?」
「お客さんに譲ってもらった図鑑とか資料。欲しい薬の材料を頼まれるから、オレでも加工出来るものがあれば手伝ってるんだよ。父さんや母さんみたいに技術は持ってないけど、簡単なものだろうと、仕事だから失敗したものは渡せないだろ」
「相変わらず、そういったところはマメなんですね」
「このお茶、苦いですね」
「嫌なら帰れ」
ユリシスが淹れたての茶を飲んで早々、感想を口にした。家に上がった当初、彼は整理整頓のなさを指摘し、人間が住む場所じゃないとまで言い放ったが、上司であるセドリックが腰を落ち着けているためか、出て行く気配は一向になかった。
ラビは、苛々しながら作業台の上の支度を進めた。改めて室内の様子を見渡したセドリックが、「すごく狭くなりましたね」と驚いた様子で口にする。
ここ数年で本や地図などの資料が増えていたから、ラビは彼を家に入れていなかった。何かと煩く言われるだろうと想像が付いていたし、一人と一匹で暮らしているのだから、大きな彼が入ると窮屈になってしまう。
「この大量の本は、一体なんです?」
「お客さんに譲ってもらった図鑑とか資料。欲しい薬の材料を頼まれるから、オレでも加工出来るものがあれば手伝ってるんだよ。父さんや母さんみたいに技術は持ってないけど、簡単なものだろうと、仕事だから失敗したものは渡せないだろ」
「相変わらず、そういったところはマメなんですね」