「……どうしよう。なんだか、顔を会わせるのも面倒だしなぁ」
ラビは辺りに人がいない事を確認すると、ビアンカの元へ戻った。ノエルの事だから、きっと人が多い建物中にはいないだろうと予想して、窓を開けて彼の名を呼んだ。
すると、どこからかノエルが素早く駆けて来て『なんだ』と問い掛けた。どこか心配そうに金緑の瞳を細め、ラビの様子を窺い『何かあったのか』と続けて尋ねてくる。
ラビは、それを不思議に思って小首を傾げた。
「二階の化粧台のある部屋を探して、ピンセットがあったら取って来て欲しいんだけど、いい?」
『――……はあ。なんだ、パシリかよ。俺、小さい物持つのは苦手なんだぜ』
ノエルは愚痴ったが、どこか安堵したように視線をそらすと、その場で跳躍して二階のテラスに軽々と降り立った。
待ち始めて数分、ノエルは、目当ての物を牙に引っ掛けて戻ってきた。彼はかなり探し物が得意だが、その頼もしさを改めて実感し、ラビは「お~」と小さな拍手を送ってしまった。思わず頭を撫でてやると、ノエルが偉そうに胸を張って『どうよ』と言う。
ラビは辺りに人がいない事を確認すると、ビアンカの元へ戻った。ノエルの事だから、きっと人が多い建物中にはいないだろうと予想して、窓を開けて彼の名を呼んだ。
すると、どこからかノエルが素早く駆けて来て『なんだ』と問い掛けた。どこか心配そうに金緑の瞳を細め、ラビの様子を窺い『何かあったのか』と続けて尋ねてくる。
ラビは、それを不思議に思って小首を傾げた。
「二階の化粧台のある部屋を探して、ピンセットがあったら取って来て欲しいんだけど、いい?」
『――……はあ。なんだ、パシリかよ。俺、小さい物持つのは苦手なんだぜ』
ノエルは愚痴ったが、どこか安堵したように視線をそらすと、その場で跳躍して二階のテラスに軽々と降り立った。
待ち始めて数分、ノエルは、目当ての物を牙に引っ掛けて戻ってきた。彼はかなり探し物が得意だが、その頼もしさを改めて実感し、ラビは「お~」と小さな拍手を送ってしまった。思わず頭を撫でてやると、ノエルが偉そうに胸を張って『どうよ』と言う。