『うるせぇなぁ、好きなもん食ってるだけだろうが。それの何が悪いんだよ』
「動物の身ですから、身体に良くないのではないかと思いまして。というより、あなたの話し方はラビにそっくりですね。とにかく品がありません」
『細けぇ事は気にすんな。つか、俺を犬とか狼と一緒にするんじゃねぇよ。食事はな、生も美味いが、調理されたのが一番美味いッ』

 漆黒の狼が、今朝一番の凛々しい顔で断言した。

 こんな大きな犬や狼がいてたまりますか、とユリシスが苦々しく呟くと、不特定多数の男達が「喋るのも問題では」と呟いた。

 しばらく食を進めた後で、サーバルが思い出したように言った。

「そういえば、君が屋上から町の外に降りた時、なんか百面相してるなぁとは思っていたんだけど、その狼と喋っていたんだね」
「俺も妙なガキだなと思ったが、そいつと一緒だったんだな」
「私は正直、一人で何をしているのかと不審に思いました」

 あの時屋上にいたサーバル、ヴァン、ユリシスがそれぞれ口にした。