氷狼よりも一回り以上も体格のある大黒狼の登場に、騎士団や氷狼が、一瞬だけ動きを止めた。近くにいたヴァンが、「今度はなんだ!」と警戒して大剣の先を向ける。
「待ってッ、ノエルはオレの親友なんだ! 味方なんだよ!」
「……お前、ラビかッ?」
ノエルの漆黒の背からラビが顔を覗かせると、ヴァンが、信じられないという顔をした。警備棟の正面玄関前で放火銃を重そうに抱え持ったグリセンが、ラビを見て更に混乱した様子で「一体何事なんだッ」と青い顔で叫んだ。
わずかに氷狼達が止まったが、氷狼にしがみつく悪鬼達が奇声を上げてすぐ、彼らの攻撃が再開した。
グリセンが「町への侵入を許すな!」と指揮した。男達は仲間と害獣の状況を確認しながら、「黒い狼の方は無視しろッ、味方らしい!」「ラビが来たぞ!」と怒号して情報を共有し合った。
ヴァンも別の氷狼に飛びかかり、大剣を振るい上げた。どこかで「副団長はまだか!」と誰かが叫んだが、答えられる人間がいなかったため、ノエルが野太い咆哮のような声で『あの人間は今こっちに向かってる最中だ!』と怒ったように答え返した。
「待ってッ、ノエルはオレの親友なんだ! 味方なんだよ!」
「……お前、ラビかッ?」
ノエルの漆黒の背からラビが顔を覗かせると、ヴァンが、信じられないという顔をした。警備棟の正面玄関前で放火銃を重そうに抱え持ったグリセンが、ラビを見て更に混乱した様子で「一体何事なんだッ」と青い顔で叫んだ。
わずかに氷狼達が止まったが、氷狼にしがみつく悪鬼達が奇声を上げてすぐ、彼らの攻撃が再開した。
グリセンが「町への侵入を許すな!」と指揮した。男達は仲間と害獣の状況を確認しながら、「黒い狼の方は無視しろッ、味方らしい!」「ラビが来たぞ!」と怒号して情報を共有し合った。
ヴァンも別の氷狼に飛びかかり、大剣を振るい上げた。どこかで「副団長はまだか!」と誰かが叫んだが、答えられる人間がいなかったため、ノエルが野太い咆哮のような声で『あの人間は今こっちに向かってる最中だ!』と怒ったように答え返した。