視線を戻すと、セドリックが頬杖をついてこちらを見ていた。何故か、仕事の報告の件よりも怒っているような気がして、ラビは、すぐに答えられなかった。
ちょうどその時、人混みから二人の姿を見付けたユリシスがやってきた。彼は、ラビが「げ」と言うのも構わず、三つ目の椅子に腰かけた。
セドリックが話をしているのを見ていたのか、ユリシスは「状況は把握しています」と涼しい横顔で答え、ハンカチを取り出し、眼鏡の埃を拭い始めた。
「ラビ、こっちを見て下さい。一体誰なんですか、ノエルという男は。一緒のベッドに寝るぐらい心を許しているなんて――もしかして、ノエルという呼び名で秘密裏に親しくしている外の男なんですか?」
「なんでそう突っ込んで聞いてくるんだよ! しつっこいッ」
一方的にまくしたてられ、ラビはたまらず反論した。幼馴染とはいえ、セドリックに自分の交友関係を把握されなければならない理由はないはずだ。
隣で話を聞いていたユリシスが、眼鏡を掛けながら「年上の恋人なんですかねぇ」と他人事のようにぼやいた。
ちょうどその時、人混みから二人の姿を見付けたユリシスがやってきた。彼は、ラビが「げ」と言うのも構わず、三つ目の椅子に腰かけた。
セドリックが話をしているのを見ていたのか、ユリシスは「状況は把握しています」と涼しい横顔で答え、ハンカチを取り出し、眼鏡の埃を拭い始めた。
「ラビ、こっちを見て下さい。一体誰なんですか、ノエルという男は。一緒のベッドに寝るぐらい心を許しているなんて――もしかして、ノエルという呼び名で秘密裏に親しくしている外の男なんですか?」
「なんでそう突っ込んで聞いてくるんだよ! しつっこいッ」
一方的にまくしたてられ、ラビはたまらず反論した。幼馴染とはいえ、セドリックに自分の交友関係を把握されなければならない理由はないはずだ。
隣で話を聞いていたユリシスが、眼鏡を掛けながら「年上の恋人なんですかねぇ」と他人事のようにぼやいた。