怒気を含んだ低い声でハッキリと尋ねられ、ラビは、どうしようかと必死に考えた。

「……えぇっと……だから、その、オ、オレの親友だよ」

 思わず答える視線が泳いだ。ラビは、セドリックが少ない村人の名前を全て把握していると知っていた。昨日の話をどこまで聞かれていたかは定かではないが、あまり言葉多く答えない方がいいような気がして口をつぐんだ。

 セドリックが納得しない顔をするそばで、腕を組んで様子を見守っていたユリシスが、ラビに追い打ちを掛けるようにこう言った。

「なるほど。同じベッドで寝て、普段はあまり寝かせてくれないうえに、元気な男の親友ですか。このまま二人でどこかに行こうと誘っておきながら、下心のない親友なんていますかね」
「なんで朝っぱらからそういう事を言ってくんのかな、お前はッ。なんの嫌がらせだよ? 男同士なら問題ないじゃん!」

 ラビは強く主張した。ユリシスは、自分の事を男だと思っているようだし、男同士なら問題のない状況である事を伝えようとしたのだが、何故か妙な顔をされてしまった。