しばらく夢中になっていると、少し強めに外から扉が叩かれた。
「二時間も立てこもっていると聞いたけど――ッて、鍵掛がかってる!?」
「ん? その声、グリセン?」
ノエルとの時間を楽しく過ごしていたラビは、訝しげに耳を済ませた。外からは、グリセン以外の声と数組の足音が聞こえたので、どうやら彼は部下を従えてやってきたらしいと分かった。
掛けられた言葉からして、特に急ぎの用がある訳でもないと察したラビは、扉も開けず「一人にしといて」と軽く返した。その後ろで、ノエルが『やれやれ』と大きな欠伸を一つこぼす。
すると、扉の外から、先ほどよりも強いノック音が上がった。
「髪を触られたのが原因なんですかッ」
そうセドリックが慌てて尋ねる声が続いた途端、ドシンと倒れる音と共に、「団長が倒れたぞーッ」と複数の男達が叫んだ。扉の外が一気に騒がしくなり、ラビは渋々立ち上がると、内鍵を開けて廊下に顔を覗かせた。
目の前にいたのは、セドリックだけだった。
「二時間も立てこもっていると聞いたけど――ッて、鍵掛がかってる!?」
「ん? その声、グリセン?」
ノエルとの時間を楽しく過ごしていたラビは、訝しげに耳を済ませた。外からは、グリセン以外の声と数組の足音が聞こえたので、どうやら彼は部下を従えてやってきたらしいと分かった。
掛けられた言葉からして、特に急ぎの用がある訳でもないと察したラビは、扉も開けず「一人にしといて」と軽く返した。その後ろで、ノエルが『やれやれ』と大きな欠伸を一つこぼす。
すると、扉の外から、先ほどよりも強いノック音が上がった。
「髪を触られたのが原因なんですかッ」
そうセドリックが慌てて尋ねる声が続いた途端、ドシンと倒れる音と共に、「団長が倒れたぞーッ」と複数の男達が叫んだ。扉の外が一気に騒がしくなり、ラビは渋々立ち上がると、内鍵を開けて廊下に顔を覗かせた。
目の前にいたのは、セドリックだけだった。