その頃、三人だった僕らは、安樂をきっかけにユミさんが加わって四人になった。
男二人に女二人の、馬鹿みたいに仲がいいカップルのダブルデートは、毎回飽きずに遊園地の南側に広がるコスモス園に寄るのが定番だった。毎年、そこのコスモスの時期が訪れると、僕らはまるで春が来たかのようにはしゃいだものだ。
そう思い返した僕は、ぼんやりと手元を見下ろした。
よく覚えている。隣の地区に面する太平洋の海から吹いて来る潮風が、コスモス畑に溢れたいい香りを時々巻き上げていっていた。ユミさんは、彼女とお揃いのふんわりとしたスカートを着て黄色い声を上げていて、安樂は『美女二人』の光景をすごく嬉しそうに見ていた。あの時僕は、妻の足を見ていいのは僕だけだと、声も出さずに彼に鉄拳を見舞ったのも覚えている。
きっかけは、コスモスが好き、と言った妻の一言だった。そうやって僕と安樂もコスモスの風景が好きになり、ユミさんも僕らの輪に加わった。
男二人に女二人の、馬鹿みたいに仲がいいカップルのダブルデートは、毎回飽きずに遊園地の南側に広がるコスモス園に寄るのが定番だった。毎年、そこのコスモスの時期が訪れると、僕らはまるで春が来たかのようにはしゃいだものだ。
そう思い返した僕は、ぼんやりと手元を見下ろした。
よく覚えている。隣の地区に面する太平洋の海から吹いて来る潮風が、コスモス畑に溢れたいい香りを時々巻き上げていっていた。ユミさんは、彼女とお揃いのふんわりとしたスカートを着て黄色い声を上げていて、安樂は『美女二人』の光景をすごく嬉しそうに見ていた。あの時僕は、妻の足を見ていいのは僕だけだと、声も出さずに彼に鉄拳を見舞ったのも覚えている。
きっかけは、コスモスが好き、と言った妻の一言だった。そうやって僕と安樂もコスモスの風景が好きになり、ユミさんも僕らの輪に加わった。


