「大切な日だものね。そうね、コスモスは再来週、三人で見に行きましょう」
「ふふっ今回はピクニックを兼ねて、一緒にお弁当でも作りましょうか?」
「あら、嬉しいわ。じゃあこの人には、オニギリを握ってもらおうかしらね」
ユミさんは楽しそうに笑った。不器用な彼独特の楕円でも丸でもない、歪で大きなオニギリを僕たちは忘れてはいなかった。
その時、安樂がようやく思い付いたような顔をして「あ、そうか」と声を上げた。
「早いなあ。もうそんな時期かあ。すまん、日付をうっかりミスってたわ」
彼はそうしみじみと呟くと、箸でつまんだパスタを口に入れてずるずると吸い込んだ。それを見たユミさんが「ラーメンじゃないんだから」とたしなめるのも構わず、彼はもぐもぐと咀嚼しながら、気が抜けそうな顔で宙を見やる。
大学時代、僕と妻と安樂の三人で、よくコスモス園に行った。小さな遊園地の一角にあったそのコスモス園は、次第に面積を広げられて、僕らが社会人として慣れた頃には都会で見られるコスモス畑として有名になった。
「ふふっ今回はピクニックを兼ねて、一緒にお弁当でも作りましょうか?」
「あら、嬉しいわ。じゃあこの人には、オニギリを握ってもらおうかしらね」
ユミさんは楽しそうに笑った。不器用な彼独特の楕円でも丸でもない、歪で大きなオニギリを僕たちは忘れてはいなかった。
その時、安樂がようやく思い付いたような顔をして「あ、そうか」と声を上げた。
「早いなあ。もうそんな時期かあ。すまん、日付をうっかりミスってたわ」
彼はそうしみじみと呟くと、箸でつまんだパスタを口に入れてずるずると吸い込んだ。それを見たユミさんが「ラーメンじゃないんだから」とたしなめるのも構わず、彼はもぐもぐと咀嚼しながら、気が抜けそうな顔で宙を見やる。
大学時代、僕と妻と安樂の三人で、よくコスモス園に行った。小さな遊園地の一角にあったそのコスモス園は、次第に面積を広げられて、僕らが社会人として慣れた頃には都会で見られるコスモス畑として有名になった。


