鴇田に放課後に残るよういわれることが増えた。そのたびに被害者になれといわれた。弱虫のくせになにを強がっているの、と。次第に、怖いままで意地が出てきた。騒いでたまるものかと。鴇田の望みは決して叶えない。
そのうちに、鴇田の方も大胆になってきた。お前が騒がないのなら自分からばれてやるとやけになったのかもしれない。しかし、誰だって面倒なことに巻き込まれたくはないもので、見て見ぬふりをする人ばかりだ。実際、鴇田のことを話した人はいない。
事態は突然動いた。拓実の欠席を俺を結びつけられた。直前に俺が拓実となんらかの問題を起こしたらしいと担任の藤村に伝えたのだ。誰が。鴇田が。
なにがあったか知らないけれど、それはずいぶんと力を持った。クラスの中でそれに疑問を持ったのは、ずっとそばにいてくれた紙原と稲臣のほかには松前ただ一人だった。
俺が拓実を見ているのを鴇田は知っていたから、そういった事実も添えていたのかもしれない。あの二人の関係はただの同級生ではない、なにかしら深い関係にある、と。
鴇田は恐ろしい人だ。自分で拓実が好きだと認めておきながら、拓実の欠席を利用した。そして極め付けは、シャープペンシルの芯のケースを幼稚園だか保育園だかから一緒なのだという男子に盗らせて話をした日だ。
大好きな拓実が俺を嫌いだから、自分も俺を嫌いにならなくてはならなかったと鴇田はいった。そして俺が好きだったのだといった。勝手に嫌っていてくれというのが正直なところだ。
ただ、どうしてミネに嫌われるようなことをしたの、という言葉は痛い。どうして、といわれれば、馬鹿だからとしかいえない。
そのうちに、鴇田の方も大胆になってきた。お前が騒がないのなら自分からばれてやるとやけになったのかもしれない。しかし、誰だって面倒なことに巻き込まれたくはないもので、見て見ぬふりをする人ばかりだ。実際、鴇田のことを話した人はいない。
事態は突然動いた。拓実の欠席を俺を結びつけられた。直前に俺が拓実となんらかの問題を起こしたらしいと担任の藤村に伝えたのだ。誰が。鴇田が。
なにがあったか知らないけれど、それはずいぶんと力を持った。クラスの中でそれに疑問を持ったのは、ずっとそばにいてくれた紙原と稲臣のほかには松前ただ一人だった。
俺が拓実を見ているのを鴇田は知っていたから、そういった事実も添えていたのかもしれない。あの二人の関係はただの同級生ではない、なにかしら深い関係にある、と。
鴇田は恐ろしい人だ。自分で拓実が好きだと認めておきながら、拓実の欠席を利用した。そして極め付けは、シャープペンシルの芯のケースを幼稚園だか保育園だかから一緒なのだという男子に盗らせて話をした日だ。
大好きな拓実が俺を嫌いだから、自分も俺を嫌いにならなくてはならなかったと鴇田はいった。そして俺が好きだったのだといった。勝手に嫌っていてくれというのが正直なところだ。
ただ、どうしてミネに嫌われるようなことをしたの、という言葉は痛い。どうして、といわれれば、馬鹿だからとしかいえない。