♢天才協力者 大学生 秋沢葉次
カルトの高校大学の後輩であり、地元の弟分の秋沢葉次(あきさわようじ)という大学生が呪いのアプリの被害に遭ったらしい。以下は呪いのアプリの被害に遭った経緯だ。警察の呪いのアプリ捜査本部にいる岡野カルトに相談があった内容を捜査本部で共有する。
呪いのアプリの被害者である秋沢葉次という大学生。彼はとても優しく明るく人当たりのいい男子大学生だ。見た目は美しく、どこか退屈そうで、けだるさがある。明るめな茶髪。耳にかかる髪の毛の下には大きなシルバーのリングのピアスが揺れる。見た目は真面目な大学生というよりはどこにでもいそうなフリーター。服装はカジュアルで大きめのTシャツに大きめのシャツを羽織る。スキニーなパンツは彼の足の細さを一層際立たせる。華奢で背は170センチもないだろうか。比較的小柄だ。
リア充と言われる部類の人間で、美人な女友達が最近できたらしい。彼女の名前は木下ここな。合コンで知り合った女子だ。彼のSNSの書き込みは日々異様な狂気と憔悴を感じるようになったということだ。これが実際書き込まれたものだ。
9月1日
10時30分 『呪いのアプリって知ってる? 俺、呪われているの? マジかよ。宝くじ当たったから運を使い果たしたのかも』
12時05分 『呪いの子どもに話しかけられた。見た目昭和感満載。マジで14日後に死ぬかも』
18時30分 『呪い主様、名乗り出て。和解しよう』
20時9分 『不気味過ぎて怖い。アンインストールできないし、電源切れない。本気のやばいヤツ?』
書き込みへの反応は――
『それ、マジなやつだよ』
『呪い主誰だよ。名乗り出ろ』
『知り合いでそのアプリで死んだやつ知ってる』
『呪い主探さないとまずいって、死ぬぞ』
『連絡者リストを片っ端から連絡してみろ』
『身から出たさびかも』
興味本位の書き込みから親身に相談に乗るような優し気な書き込みもある。
日々、半信半疑の書き込みに秋沢の真実味が帯びてくる。
9月2日
15時15分 『すみません。謝りますから、呪いを解いてください』
18時50分 『何かした記憶がありません。呪いをかけている方、おわびを致します。お金もお渡しします』
多分、アプリについて調べた秋沢葉次がネットの情報に翻弄されて、ただ謝るという形を取ったのだろうというのが世間の予想だった。
その書き込みの反応に――
『お金くれるならば、いくらかな? 俺が呪い主って言ったら振り込んでくれますか?』
『お金で解決ってなんか違うよな』
『もっとちゃんと探してから言えよ』
心無い反応も多く、葉次は心が折れたようで、それ以来書き込みは無くなった。おそらく、呪っている誰かがわからないからこその諦めた行動だ。ネットという世界だからこその辛辣な反応が辛くもあったのかもしれない、というのが世間の予想だった。これは今現在被害に遭っている者の情報だということで警察内の呪いのアプリ捜査本部で取り上げられた。
秋沢葉次は連絡を取る。秋沢が最近出会った美女の木下ここなに送ったメッセージは――
『俺、呪われてるっぽい。呪い主わかんないと14日後に死ぬって』
『大丈夫? 疲れているんじゃない? 呪いのアプリは本物かもしれないよ』
『宝くじ当たったことで、運使い果たしたかな』
『お金振り込んだら諦めてくれるかもしれないよ。本名を口座名義で聞き出せばいいでしょ』
『口座名義は普通は本名だもんな。うちの実家が金持ちでよかった』
突然メールが届く、それは、大学でよく知る大宮だった。
『俺は、大宮すばる。呪いなんてかけてごめん。実は、お金に困っていて、大学を続けられそうもなかった。宝くじが当たったという君にこういう形で頼らせてもらった。お金を振り込んでくれたら、呪いは解くよ。100万円、こちらの銀行口座に振り込みをお願いします』
アプリ画面の呪いの子どもへ秋沢は話しかける。葉次の答えは意外にも大宮すばるではなかった。
「呪いの子ども。呪い主はがわかったよ。木下ここなを名乗る女性だ」
葉次は呪いの子どもに呪い主を言う。
すると――
「本名じゃないとだめだよ。名乗る女性と言っていたから、当たっているんだけどね。今のはノーカウントにしておくね」
ドヤ顔の呪いの子どものまあるい目はまばたきをしない。それがいかにも人間とは違う不気味さを醸し出す。この場合、まだ3人の名前を言う余地を残されているということか。
勘のいい葉次の回答は偽名を使った女、木下ここなと名乗る者。合コンで知り合って連絡先を交換した。つまり、身分証明書を提示しているわけでもなく、婚姻関係を結んでいるわけでもない。つまり、葉次は偽名でも呪いは成立するのかを呪いの子に問いかけたのだ。
「呪いの子ども。偽名でも連絡先がつながっていれば、呪いは成立するか?」
「もちろん成立するよ。でも、呪われた人には本名を答えてもらうのがルールなんだ」
「呪い主に有利なアプリなんだな」
「最初にルールは決めてあるから。どんな人にも平等になるようにしているんだ」
「じゃあ、俺は彼女の本名を探し当ててくるから」
彼女はバイトをしていると言っていた。バイト先の名前は本名だろうと思い、聞き込みに行く。彼女の写真を見せて、名前を聞く。すると――店長は木下ここなだと言う。まさか、偽名を使ってバイトをしているのだろうか。本物の詐欺師かもしれない。ここで、いかにも本名に近い偽名であれば、本名だと信じていたかもしれない。でも、彼女が入念に木下ここなだと細工していたが故に疑いが確信に変わる。絶対に偽名だと。
以上が秋沢葉次から岡野カルトへの相談内容だ。警察に秋沢が協力者として捜査に参加したいという申し出があったということを申し出る。カルトと葉次は仲の良い友達だ。二人の信頼関係は充分にあった。異例の捜査ゆえ、警察のほうも、協力の申し出に賛同する。
カルトの高校大学の後輩であり、地元の弟分の秋沢葉次(あきさわようじ)という大学生が呪いのアプリの被害に遭ったらしい。以下は呪いのアプリの被害に遭った経緯だ。警察の呪いのアプリ捜査本部にいる岡野カルトに相談があった内容を捜査本部で共有する。
呪いのアプリの被害者である秋沢葉次という大学生。彼はとても優しく明るく人当たりのいい男子大学生だ。見た目は美しく、どこか退屈そうで、けだるさがある。明るめな茶髪。耳にかかる髪の毛の下には大きなシルバーのリングのピアスが揺れる。見た目は真面目な大学生というよりはどこにでもいそうなフリーター。服装はカジュアルで大きめのTシャツに大きめのシャツを羽織る。スキニーなパンツは彼の足の細さを一層際立たせる。華奢で背は170センチもないだろうか。比較的小柄だ。
リア充と言われる部類の人間で、美人な女友達が最近できたらしい。彼女の名前は木下ここな。合コンで知り合った女子だ。彼のSNSの書き込みは日々異様な狂気と憔悴を感じるようになったということだ。これが実際書き込まれたものだ。
9月1日
10時30分 『呪いのアプリって知ってる? 俺、呪われているの? マジかよ。宝くじ当たったから運を使い果たしたのかも』
12時05分 『呪いの子どもに話しかけられた。見た目昭和感満載。マジで14日後に死ぬかも』
18時30分 『呪い主様、名乗り出て。和解しよう』
20時9分 『不気味過ぎて怖い。アンインストールできないし、電源切れない。本気のやばいヤツ?』
書き込みへの反応は――
『それ、マジなやつだよ』
『呪い主誰だよ。名乗り出ろ』
『知り合いでそのアプリで死んだやつ知ってる』
『呪い主探さないとまずいって、死ぬぞ』
『連絡者リストを片っ端から連絡してみろ』
『身から出たさびかも』
興味本位の書き込みから親身に相談に乗るような優し気な書き込みもある。
日々、半信半疑の書き込みに秋沢の真実味が帯びてくる。
9月2日
15時15分 『すみません。謝りますから、呪いを解いてください』
18時50分 『何かした記憶がありません。呪いをかけている方、おわびを致します。お金もお渡しします』
多分、アプリについて調べた秋沢葉次がネットの情報に翻弄されて、ただ謝るという形を取ったのだろうというのが世間の予想だった。
その書き込みの反応に――
『お金くれるならば、いくらかな? 俺が呪い主って言ったら振り込んでくれますか?』
『お金で解決ってなんか違うよな』
『もっとちゃんと探してから言えよ』
心無い反応も多く、葉次は心が折れたようで、それ以来書き込みは無くなった。おそらく、呪っている誰かがわからないからこその諦めた行動だ。ネットという世界だからこその辛辣な反応が辛くもあったのかもしれない、というのが世間の予想だった。これは今現在被害に遭っている者の情報だということで警察内の呪いのアプリ捜査本部で取り上げられた。
秋沢葉次は連絡を取る。秋沢が最近出会った美女の木下ここなに送ったメッセージは――
『俺、呪われてるっぽい。呪い主わかんないと14日後に死ぬって』
『大丈夫? 疲れているんじゃない? 呪いのアプリは本物かもしれないよ』
『宝くじ当たったことで、運使い果たしたかな』
『お金振り込んだら諦めてくれるかもしれないよ。本名を口座名義で聞き出せばいいでしょ』
『口座名義は普通は本名だもんな。うちの実家が金持ちでよかった』
突然メールが届く、それは、大学でよく知る大宮だった。
『俺は、大宮すばる。呪いなんてかけてごめん。実は、お金に困っていて、大学を続けられそうもなかった。宝くじが当たったという君にこういう形で頼らせてもらった。お金を振り込んでくれたら、呪いは解くよ。100万円、こちらの銀行口座に振り込みをお願いします』
アプリ画面の呪いの子どもへ秋沢は話しかける。葉次の答えは意外にも大宮すばるではなかった。
「呪いの子ども。呪い主はがわかったよ。木下ここなを名乗る女性だ」
葉次は呪いの子どもに呪い主を言う。
すると――
「本名じゃないとだめだよ。名乗る女性と言っていたから、当たっているんだけどね。今のはノーカウントにしておくね」
ドヤ顔の呪いの子どものまあるい目はまばたきをしない。それがいかにも人間とは違う不気味さを醸し出す。この場合、まだ3人の名前を言う余地を残されているということか。
勘のいい葉次の回答は偽名を使った女、木下ここなと名乗る者。合コンで知り合って連絡先を交換した。つまり、身分証明書を提示しているわけでもなく、婚姻関係を結んでいるわけでもない。つまり、葉次は偽名でも呪いは成立するのかを呪いの子に問いかけたのだ。
「呪いの子ども。偽名でも連絡先がつながっていれば、呪いは成立するか?」
「もちろん成立するよ。でも、呪われた人には本名を答えてもらうのがルールなんだ」
「呪い主に有利なアプリなんだな」
「最初にルールは決めてあるから。どんな人にも平等になるようにしているんだ」
「じゃあ、俺は彼女の本名を探し当ててくるから」
彼女はバイトをしていると言っていた。バイト先の名前は本名だろうと思い、聞き込みに行く。彼女の写真を見せて、名前を聞く。すると――店長は木下ここなだと言う。まさか、偽名を使ってバイトをしているのだろうか。本物の詐欺師かもしれない。ここで、いかにも本名に近い偽名であれば、本名だと信じていたかもしれない。でも、彼女が入念に木下ここなだと細工していたが故に疑いが確信に変わる。絶対に偽名だと。
以上が秋沢葉次から岡野カルトへの相談内容だ。警察に秋沢が協力者として捜査に参加したいという申し出があったということを申し出る。カルトと葉次は仲の良い友達だ。二人の信頼関係は充分にあった。異例の捜査ゆえ、警察のほうも、協力の申し出に賛同する。