大きくて広いゲート。
これが校門だ。
これをくぐった瞬間、僕達は戦いに行くのと同じだった。
またあの生活が始まるのかと1つ大きなため息をついてゲートをくぐる。
学生証が「ピコン」となった。
隣の人を見る。
この人は
「56」
前の人を見る。
あの人は
「73」
僕はと言うと
「62」
そしてあそこにいる俯いて肩をすぼめ、
明らかに何かから逃げようと、見つかるまいとそそくさと登校するあいつの頭上には赤い数字で
「39」
と表示されていた。
教室までの道のり、バーッと見渡しても赤い数字の奴はよく目立つ。
「34」「37」「29」「38」
頭の上にフヨフヨと浮かぶ数字達。
そして、後ろから鈍い音と共に助けを乞う
弱々しい泣き声が聞こえてきた。
こんな朝イチでもう目を付けられたやつがいるらしい。
「お願いします...見逃してください。助けてくださいぃ...」
マスクをしていても分かる、ニキビだらけの明らかに欲の赴くままな食生活をしていたのであろう「32」のそいつはシャツの第1ボタンを空け、細身の明らかにイケメンの「75」に擦り寄って泣いていた。いや、鳴いていた。
もう分かっただろう。
僕達は数字に支配されている。
あのゲートをくぐった瞬間学生証が反応し頭上に数字が浮かび上がる。そういう仕組みになっている。
学生証を忘れれば1発で見つかる。
生徒指導室直行だ。
テストの点数、容姿、レポートの点数、運動神経、そういった物で学校側が付ける
''点数''を頭の上に浮かばせて歩いている。
40以下の奴は赤字で丸見え。
「カースト圏外群」
と名付けられているそいつらは家畜同様
人間としての扱いを受けない。
40のやつは50に50のやつは60に60のやつは70に70のやつは80に。
そうやって支配されて、それが嫌で皆のし上がる。
のし上がって蹴散らして。
そういう精神を育み、結果として優秀な生徒は学校側が用意した優秀な大学へ進学させられる。
最後までカースト圏外群のやつらがどうなるのか僕は知らない。なぜなら僕らが第1実験者だから。学校側は入学式で1軍群の話しかしなかった。
圏外群はどうなるのか、考えただけで恐ろしかった。
これが校門だ。
これをくぐった瞬間、僕達は戦いに行くのと同じだった。
またあの生活が始まるのかと1つ大きなため息をついてゲートをくぐる。
学生証が「ピコン」となった。
隣の人を見る。
この人は
「56」
前の人を見る。
あの人は
「73」
僕はと言うと
「62」
そしてあそこにいる俯いて肩をすぼめ、
明らかに何かから逃げようと、見つかるまいとそそくさと登校するあいつの頭上には赤い数字で
「39」
と表示されていた。
教室までの道のり、バーッと見渡しても赤い数字の奴はよく目立つ。
「34」「37」「29」「38」
頭の上にフヨフヨと浮かぶ数字達。
そして、後ろから鈍い音と共に助けを乞う
弱々しい泣き声が聞こえてきた。
こんな朝イチでもう目を付けられたやつがいるらしい。
「お願いします...見逃してください。助けてくださいぃ...」
マスクをしていても分かる、ニキビだらけの明らかに欲の赴くままな食生活をしていたのであろう「32」のそいつはシャツの第1ボタンを空け、細身の明らかにイケメンの「75」に擦り寄って泣いていた。いや、鳴いていた。
もう分かっただろう。
僕達は数字に支配されている。
あのゲートをくぐった瞬間学生証が反応し頭上に数字が浮かび上がる。そういう仕組みになっている。
学生証を忘れれば1発で見つかる。
生徒指導室直行だ。
テストの点数、容姿、レポートの点数、運動神経、そういった物で学校側が付ける
''点数''を頭の上に浮かばせて歩いている。
40以下の奴は赤字で丸見え。
「カースト圏外群」
と名付けられているそいつらは家畜同様
人間としての扱いを受けない。
40のやつは50に50のやつは60に60のやつは70に70のやつは80に。
そうやって支配されて、それが嫌で皆のし上がる。
のし上がって蹴散らして。
そういう精神を育み、結果として優秀な生徒は学校側が用意した優秀な大学へ進学させられる。
最後までカースト圏外群のやつらがどうなるのか僕は知らない。なぜなら僕らが第1実験者だから。学校側は入学式で1軍群の話しかしなかった。
圏外群はどうなるのか、考えただけで恐ろしかった。