〜第6話〜
朝からソワソワが止まらない。
朝8時にアラームをセットしていたのにこういう時は謎に6時に目が覚める。
どうしようもないから早朝散歩を2時間くらいして気持ちを落ち着かせ、自分の部屋に戻った瞬間。
体からブワッと血の気が引くのを感じた。
そこには母親が居て僕の机をジトーっと見つめている。
「あんた、最近どういうつもり」
こちらを振り返らずに掠れた、静かな声で問いを投げかけられた。
「勉強しないでほっつき歩いてるんじゃないの。あんたの一学期の制服、途中から汚れてばっかり。ポイント、下がったんじゃないでしょうね」
「勉強はしてます。自分の制服も自分で洗ってます。ポイントは下がってません」
「じゃあなんで!!」とこちらを振り返った母親の顔は恐ろしくて、あぁ、これはダメなやつだ。と長年の僕の勘が言っている。
「じゃあなんであんたの制服はあんなに汚れてるのよ!昔っから私を失望させてばっかりじゃない!私は女の子が欲しかったのに。お腹の中にいる時から私を失望させて、まだ足りないわけ?私の何がいけないの!あんたが馬鹿なのは私のせい?!あんたなんて産むんじゃなかったわ!!あんたが生きてるだけでムカつくのよ!!今すぐ出ていけ!!」
そう言って机の上にあった僕が密かにコレクションしていた石を投げつけてきた。
「いった…」
頭にヒットして血が流れるのを感じる。
でも痛いのは頭じゃない。
心が、ズキズキと痛かった。
僕は必要じゃないんだって。
学校でも何度も言われた。
「死ねよ」「消えろ」「いつまで生きてるんだよ」
僕は、必要じゃないんだって。
僕は、必要じゃ、ない。
走った。
スマホだけ持って走って家を出て
走って走って車に向かって轢くなら轢けよと思って走った。
雨が降ってきて、お似合いだなとか呑気なこと思いながら走ってたけど。疲れた。
疲れて、止まって。もう、走れない。
まだ朝10時とかなのにあたりは真っ暗で傘をさしてない人なんて僕しかいなかった。
止むことを知らない雨に打ち付けられてその場に座り込んでしまった。
皆が僕を軽蔑した目で見ていく。
きっとあいつもあいつもあいつも僕を醜い頭の変なやつだと思っている。あそこでスマホを持ってるやつは絶対僕の事を撮っている。
あそこで笑いあってるヤツらは絶対僕の事を笑っている。
今ここにいる全ての人間が僕を嘲笑してバカにして哀れんでいる。
死ねない。消えれない。殺されない。
必要とされない。
「ははは…」
笑っちゃう。笑っちゃうね。
あれ、僕って、なんで生きてるんだっけ。
「凪…?」
雨が、止んだ?
いや、雨は降っている。
なんで雨が当たらなくなったのか確認するべくゆっくり顔を上げた。
「やっぱり凪だ。大丈夫か?」
「田中?」
「うん、田中。行こ。お前ビショビショ」
そう言って手を引かれる。
「俺ん家でいい?ちょーっと汚いけど」
僕は知ってる。田中の言うちょーっとは全然ちょっとじゃない事を。知ってるよ。
朝からソワソワが止まらない。
朝8時にアラームをセットしていたのにこういう時は謎に6時に目が覚める。
どうしようもないから早朝散歩を2時間くらいして気持ちを落ち着かせ、自分の部屋に戻った瞬間。
体からブワッと血の気が引くのを感じた。
そこには母親が居て僕の机をジトーっと見つめている。
「あんた、最近どういうつもり」
こちらを振り返らずに掠れた、静かな声で問いを投げかけられた。
「勉強しないでほっつき歩いてるんじゃないの。あんたの一学期の制服、途中から汚れてばっかり。ポイント、下がったんじゃないでしょうね」
「勉強はしてます。自分の制服も自分で洗ってます。ポイントは下がってません」
「じゃあなんで!!」とこちらを振り返った母親の顔は恐ろしくて、あぁ、これはダメなやつだ。と長年の僕の勘が言っている。
「じゃあなんであんたの制服はあんなに汚れてるのよ!昔っから私を失望させてばっかりじゃない!私は女の子が欲しかったのに。お腹の中にいる時から私を失望させて、まだ足りないわけ?私の何がいけないの!あんたが馬鹿なのは私のせい?!あんたなんて産むんじゃなかったわ!!あんたが生きてるだけでムカつくのよ!!今すぐ出ていけ!!」
そう言って机の上にあった僕が密かにコレクションしていた石を投げつけてきた。
「いった…」
頭にヒットして血が流れるのを感じる。
でも痛いのは頭じゃない。
心が、ズキズキと痛かった。
僕は必要じゃないんだって。
学校でも何度も言われた。
「死ねよ」「消えろ」「いつまで生きてるんだよ」
僕は、必要じゃないんだって。
僕は、必要じゃ、ない。
走った。
スマホだけ持って走って家を出て
走って走って車に向かって轢くなら轢けよと思って走った。
雨が降ってきて、お似合いだなとか呑気なこと思いながら走ってたけど。疲れた。
疲れて、止まって。もう、走れない。
まだ朝10時とかなのにあたりは真っ暗で傘をさしてない人なんて僕しかいなかった。
止むことを知らない雨に打ち付けられてその場に座り込んでしまった。
皆が僕を軽蔑した目で見ていく。
きっとあいつもあいつもあいつも僕を醜い頭の変なやつだと思っている。あそこでスマホを持ってるやつは絶対僕の事を撮っている。
あそこで笑いあってるヤツらは絶対僕の事を笑っている。
今ここにいる全ての人間が僕を嘲笑してバカにして哀れんでいる。
死ねない。消えれない。殺されない。
必要とされない。
「ははは…」
笑っちゃう。笑っちゃうね。
あれ、僕って、なんで生きてるんだっけ。
「凪…?」
雨が、止んだ?
いや、雨は降っている。
なんで雨が当たらなくなったのか確認するべくゆっくり顔を上げた。
「やっぱり凪だ。大丈夫か?」
「田中?」
「うん、田中。行こ。お前ビショビショ」
そう言って手を引かれる。
「俺ん家でいい?ちょーっと汚いけど」
僕は知ってる。田中の言うちょーっとは全然ちょっとじゃない事を。知ってるよ。