「礼也さん。今、髪の毛が濡れているから」
「ああ、そうだな。風邪を引いたら大変だ」
暗に服を濡らしてしまうかもしれないから離してと言っているのだとわかったが、あえて気付かないふりをする。
相澤は少し体を離すと、陽茉莉の髪の毛に手をかざし、軽く撫でるように手を添える。すると、ふわりと風が起きて、濡れていた髪の毛が一瞬で乾いた。
「乾いたよ」
「え? 嘘、すごい!」
陽茉莉は自分で自分の髪の毛をさわり、驚いたように声をあげる。
狼神になってから、あやかしだった頃にはできなかったことが色々とできるようになった。今のは、風や水を操る術を応用して髪を乾かしたのだ。
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
体を捻ってこちらを向き、陽茉莉がお礼を言う。初めてのことに驚いたようで、自分の髪の毛を一房摘まみ上げて見つめながら目をぱちぱちと瞬いている。
「ああ、そうだな。風邪を引いたら大変だ」
暗に服を濡らしてしまうかもしれないから離してと言っているのだとわかったが、あえて気付かないふりをする。
相澤は少し体を離すと、陽茉莉の髪の毛に手をかざし、軽く撫でるように手を添える。すると、ふわりと風が起きて、濡れていた髪の毛が一瞬で乾いた。
「乾いたよ」
「え? 嘘、すごい!」
陽茉莉は自分で自分の髪の毛をさわり、驚いたように声をあげる。
狼神になってから、あやかしだった頃にはできなかったことが色々とできるようになった。今のは、風や水を操る術を応用して髪を乾かしたのだ。
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
体を捻ってこちらを向き、陽茉莉がお礼を言う。初めてのことに驚いたようで、自分の髪の毛を一房摘まみ上げて見つめながら目をぱちぱちと瞬いている。