ふと時計を見ると、夕方の六時近くになっていた。

「あ、私そろそろ帰らないと」

 今日は夕ご飯にカレーを作ってから出かけたけれど、できたら相澤や悠翔と一緒に食卓を囲みたい。きっと、ふたりも陽茉莉の帰りを待っているはずだ。

「そう。またいつでも来てね」
「うん、ありがとう」

 陽茉莉は潤ちゃんに手を振って、店を後にする。

(本気で反対されているわけではない?)

 先ほど潤ちゃんに言われた言葉を思い返す。
 そうだといいな、と思った。