陽茉莉はその答えを聞いて、少なからずほっとした。あれもこれも気に入らないと言われるとどうしようもないけれど、原因がひとつに特定できているのならまだ可能性はある。

「では、私が修行してお父様に認められる祓除師になってみせます。そうしたら許していただけますか?」
「俺が認める祓除師に? お前が?」

 雅也が陽茉莉の申し出に、意外そうに目を見開く。

「無理だ」
「礼也さんのために、なってみせます」

 結婚を認めてもらうにはこれしか方法がない。ならば、やるしかないと思った。
 強い決意を持って雅也をまっすぐに見つめる。

 視線がしっかりと合った雅也はふっと口元を緩めた。

「おもしろい。では、中級以上の邪鬼をひとりで祓うことができたらお前のことを認めてやろう」
「わかりました。ありがとうございます」

 陽茉莉は了承の意味を込めて、しっかりと頷く。