「聞けば、祓除札と回復札しか使えないらしいではないか。そんな未熟な者が、狼神の花嫁になるなど笑止千万だ」
「陽茉莉はまだ祓除師として活動し始めたばかりだ。よくやってくれている」
「よくやってくれている、ね。狼神の花嫁となれば、今以上に四六時中、邪鬼に狙われる時期が来る。そのとき、どうやって身を守る?」
「俺が命に代えてでも陽茉莉のことは守る。だから、問題ない」
「その時期は年単位になるのだぞ。一時も目を離さず守り切ることなど、お前にはできないだろう」
「できる」
「いや、無理だな」
(今以上に四六時中、邪鬼に狙われる時期が来る?)
なんの話をしているのかはわからないけれど、ふたりの様子がぴりぴりしていることだけは確かだ。そして、陽茉莉が祓除師になって日が浅く、未熟であることも正しかった。
雅也が相澤の反論に納得する様子は微塵もない。議論は完全に平行線だった。
(どうしよう……)
「陽茉莉はまだ祓除師として活動し始めたばかりだ。よくやってくれている」
「よくやってくれている、ね。狼神の花嫁となれば、今以上に四六時中、邪鬼に狙われる時期が来る。そのとき、どうやって身を守る?」
「俺が命に代えてでも陽茉莉のことは守る。だから、問題ない」
「その時期は年単位になるのだぞ。一時も目を離さず守り切ることなど、お前にはできないだろう」
「できる」
「いや、無理だな」
(今以上に四六時中、邪鬼に狙われる時期が来る?)
なんの話をしているのかはわからないけれど、ふたりの様子がぴりぴりしていることだけは確かだ。そして、陽茉莉が祓除師になって日が浅く、未熟であることも正しかった。
雅也が相澤の反論に納得する様子は微塵もない。議論は完全に平行線だった。
(どうしよう……)